「病気に立ち向かう」という言葉が、これほど文字通りの意味を持つことはありません。ロックステディボクシング(ROCK STEADY BOXING)は、パーキンソン病の症状に対して文字通り「立ち向かう」、画期的なフィットネスプログラムです。
始まりの物語
スコット・ニューマンの挑戦
2006年、わずか40歳でパーキンソン病と診断されたスコット・ニューマン氏。インディアナポリスの検事として活躍していた彼は、診断後も諦めることなく、自分の病気と闘う方法を模索し続けました。
そんな中、彼は地元のボクシングトレーナーと出会います。伝統的なボクシングトレーニングを始めたニューマン氏は、驚くべき発見をします。定期的なボクシングトレーニングを行うことで、パーキンソン病の症状が改善されたのです。
この個人的な発見から、彼は同じ病気に立ち向かう仲間たちのために、パーキンソン病患者専用のボクシングプログラム「ロックステディボクシング」を設立しました。
なぜボクシングなのか?
興味深いことに、ボクシングトレーニングは、これらの症状に対して総合的なアプローチを提供します:
1. 全身運動による神経の活性化
ボクシングは、腕や脚、体幹など、全身の筋肉を使う運動です。パンチを繰り出す動作は、手先の細かい動きから大きな全身運動まで、様々な運動神経を刺激します。この複合的な動きが、神経伝達物質の分泌を促進し、運動機能の改善に貢献すると考えられています。
2. バランス感覚の向上
ボクシングのフットワークは、常に重心移動を伴います。これは、パーキンソン病患者にとって重要なバランス感覚のトレーニングとなります。また、パンチを繰り出す際の体重移動も、全身のコーディネーション能力を高めます。
3. 反射神経の強化
ボクシングトレーニングには、パンチングボールやミット打ちなど、反射神経を使う運動が含まれます。これらの運動は、脳と筋肉の連携を強化し、動作の遅延を改善する効果があります。
4. メンタル面でのメリット
ボクシングには「闘う」という要素が含まれています。これは単なる運動以上の意味を持ちます。パーキンソン病と闘う(立ち向かう)という意識が、参加者の士気を高め、前向きな姿勢を育みます。
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